楽団概要

楽団概要

the CRAZY ANGEL COMPANY イメージ
the CRAZY ANGEL COMPANY(CA)は、楽器演奏/ダンス/カラーガード/殺陣/演技/ジャグリングなどのあらゆる表現手段を用い、新しい音楽文化の創造を目指しています。
所属メンバーは一人ひとりが多様なジャンルに横断的に挑戦し、その要素をフュージョンさせることで、これまでにない新しいパフォーマンスの可能性を追い求めています。

年1?2回の舞台公演を軸に、規模・形式とも様々なイベントに出演しています。劇場、ライブハウス、フィールド、ストリート、人のいる場所はすべて私たちのステージ!
音楽を愛し、人に驚きと感動を与えることに喜びを感じるメンバーが、他にはない新しい表現活動を楽しんでいます。

【こんなイベントに参加しました!】
◆新宿MARZ・渋谷O-EAST ほかライブハウス出演
◆千葉マリンスタジアムで「Blast!」と競演
◆有名テーマパークへの出演
◆都内近郊での商業施設のショーイベント出演
◆東京ビッグサイトでのアートイベント出演
◆学校の芸術鑑賞会
◆海外のモーターショウにパフォーマーとして参加

the CRAZY ANGEL COMPANY 設立のきっかけ


the CRAZY ANGEL COMPANY(以下CA)は、メンバーの多くが吹奏楽経験者。なぜマーチングバンドではなくCAを選んだのか。
それは、「演奏だけでは表現できないものをお客さんに伝えたい」という共通の思いを持って集まっているからです。

マーチングは、音楽に視覚的効果を加えたパフォーマンスであり、しばしば「総合芸術」とも呼ばれてます。「CRAZY ANGEL Marching Ensemble and Drum Corps」として設立した当初は、ドラムコーのスタイルをベースにしていました。しかし、「マーチングはミュージカルだ!」という自分なりの考えや「生命感の表現」という演出方針を深めていく中で、「マーチング」というジャンルの壁にぶつかることになりました。フィールドというスケールの大きな舞台は、統一美を表すには適していますが、人間一人一人の感情や生命感を表すには不向きでした。

後に、名称を「the CRAZY ANGEL COMPANY」と変え、小劇場やストリートなど、従来のマーチング団体には珍しい活動場所を選ぶことになりました。それが、お客さんと空気感を共有でき、より生身の人間を感じていただくことができる「CAスタイル」だったからです。

従来の音楽団体との違いとは


当団体のユニークな点は、メンバーが楽器演奏・ダンス・フラッグ・芝居など複数のジャンルの習得を目指しているという点です。特定の分野を習得したプレイヤー同志が共演する「コラボレーション」によるステージ作りはよくありますが、プレイヤー一人ひとりが複数のジャンルを習得することで生み出される新しいパフォーマンスの可能性を追求しています。

その意外性やビジュアル的な面白さが評価されることもありますが、役者の「生命感」を表すにあたって、身体による表現と、音楽が与える印象とが必要不可欠だという考えが根底にあります。「生命感」への強いこだわりも、CAの作品づくりの特徴です。

音楽は様々な感情を表すものであり、ダンスもまた感情を表すものです。しかし同じ人間の感情を表そうとするとき、演奏者=演技者ならばより強い説得力が生まれます。まさに、「ミュージカル」と同じ――ダンサー本人が「口パク」ではなく、素晴らしい歌も同時に生み出すところに、ミュージカルの感動があるのではないでしょうか。
かつてCAメンバーの多くは吹奏楽を始めとする音楽経験者で、ダンスは初めてというパターンが多かったですが、最近はチアリーディング・タップ・ミュージカル・バレエ出身者などダンス経験者からのアプローチ事例も増えています。「演奏だけ、ダンスでは表現できないことをお客さんに伝えたい」という共通の思いを持って集まったメンバーたちが、日々の稽古を行っています。メインテーマの「生命」と、「身体」とは切り離して考えることができないもの…音楽表現と身体表現、それらのエネルギーが融合したところに、CA独特のライブ感・躍動感が生まれると考えています。

舞台公演について


現在は2つの本公演シリーズを年2回のペースで展開していますが、いずれは年3?4回ぐらいのペースで上演したいと考えています。

ひとつは「SOUND THEATER」シリーズです。CAの活動の原点である「生命感」を追求してゆく舞台であり、2003年に旗揚公演として行われた”RE-BIRTH”を第一弾に、過去3作品を上演しています。会場には、舞台と客席との距離が近い小劇場を選んでいます。吹奏楽器を演奏する際に重要な「呼吸」は、小さい劇場だからこそ、より活きいきと感じられるからです。「SOUND THEATER」で用いられる楽曲の多くは、ケルトやアフロなど、民族的・土着的な音楽をベースにしたCAオリジナル曲です。このシリーズには民族打楽器が多く登場します。打楽器のビートはよく心臓の鼓動に例えられますが、文字通りの「生命の鼓動」を表現することに適しているのが民族打楽器です。また、弦楽器・シンセサイザー・笙など、通常のマーチングでは使われない楽器も積極的に取り入れることで、無国籍で広がりのある世界観を創っています。

もうひとつは「SOUND PERFORMANCE」シリーズで、音楽・舞踏などCAの活動の様々な側面を切り出し、舞台化しています。音楽を媒介とした、より実験的なパフォーマンスのシリーズです。
第1回の”ROOTS”では、ミュージカル風のステージにタップダンスやストンプを取り入れました。第2回の”SPIRITS”では2部構成をとりました。
 第?部「CONFESSION」では、クラシックの楽曲群により、男女の関係を記号的・パロディ的・暗喩的に描きました。
 第?部「雅咆?GAHOU」では、CA流の「和」のテイストを、吼える音楽・躍動する肉体をもって表現していきました。この「雅咆」が、その後のSOUND PERFORMANCEシリーズの看板演目となりました。

CAの舞台作品はどのように作られているか


オリジナルのステージを作りたいという考えから、まずは内外の作曲家による楽曲製作から始まります。作曲にあたっては演出・ディレクターの考える世界観を反映させながら、また逆に作曲家自身の持つ音楽観に演出・ディレクター側がインスパイアされたりしながら、緩やかに混ざりあって独特の世界観が生み出されていきます。
出来上がった楽曲に、配役と演出に基づいたアレンジを加えます。曲のどのシーンで誰がどんな動きをするかを考え、ステージ用に再構成していくのです。例えば「ここは○○にフラッグをやらせたいんだけど、次のフレーズはこの楽器の音色を入れたいからなぁ。楽器のある上手まで移動して8カウントで持ち替え、80小節目から吹かせよう」といった具合で編曲を進めていきます。ステージに乗る全員の動きを考えてはじめて、出演者に配布する譜面が完成します。また、実際に演奏した和声のバランスを考慮して、さらに配役変えや再アレンジを行うこともあります。この過程がCAの作品づくりにおいて一番大変なところであり、演出の醍醐味でもあります。

CA演出の斎藤が実際に演出・構成・ステージングするときに、意識していることは、造語ですが「ダブルフォーカス」・「ギャップコントロール」・「パワームーブメント」の3点です。これらはかつて大学時代にドラムメジャーをしていたころからの変わらない手法です。
「ダブルフォーカス」は、一曲のステージ構成の中で、二つ以上の何か「見所・見せ場」を同時に置く手法。「ギャップコントロール」は、ステージ全体を通じてという場合もありますが、ある演者が短い時間の間に全く別のことを行うように配役する手法。「パワームーブメント」は主にダンスなどのコールド(群舞)や楽器の全奏によって力強さを表現するする手法。以上3点をタイミングよく切り替えていくと、CA風のステージが出来上がっていきます。

この方法が成立するために欠かせないのは演出家・ディレクターと作曲家、振付家、そしてメンバーの間の信頼関係と基礎力です。この関係の醸成のために、まず各人の表現に対する意志と思いを表明し、それらをぶつけ合わせる機会を多くとるように心掛けています。

演劇的な練習方法を導入


CAでは、様々な音楽を聴いてそのイメージを身体で表現する練習や、言葉を使わず目線や表情だけで意思疎通を図る練習など、一般の音楽団体ではあまり見られない練習を継続的に行っています。「エチュード」は、演劇団体が主に行う練習で、「感情表現」「コミュニケーション」「自己解放」などの能力を高めるための訓練です。

舞台に表現者として上がり、自分の核にある「生命感」を観客に見せるためには、自己を解放して感情をさらけ出していくことが不可欠です。CAのパフォーマンスは楽器演奏をメインに置いていますが、それは音を出す「道具」を持っていることでもあります。舞台上ではこの楽器でさえ、感情表現を隠すヴェールのようになることがあります。ヴェールで覆われた表現に、本当の魅力はありません。逆に、役者の核がヴェールを脱いでありのままに近い程、お客さんもありのままに表現を観て下さり、表現を楽しんで下さいます。まずは生身ひとつ。そこからどれだけの創造性を引き出せるかがポイントになってくるという考えから、演劇的な練習を行っているのです。
エネルギーは多く集まれば集まる程、大きな明かりをつけることができます。それと同様に、メンバーひとりひとりの「生命感」というエネルギーを引き出して集めることで、より大きな影響をお客さんに与えることができます。
その力を身につけた上で音楽と向き合えれば、新たな表現の路が開けてくるに違いないと考えています。

ストリートでのパフォーマンス「Ristorante ANGELO」

CAオリジナルのパレードで「Ristorante ANGELO」と呼んでいるパフォーマンスがあります。もともとは「ただのパレードじゃ、お客さんとのふれ合いが少ないな」ということから発案しました。イタリアンレストランの店員に扮したメンバーが、お客様からメニューのオーダーをいただいて「音楽」という料理をお届けする、という一風変わったパレードスタイルです。
お客さんとの絡みあり、ダンスあり、バルーンアートまで飛び出す「Ristorante ANGELO」では、「隊列を組んで歩き、決まった曲順で演奏する」という従来のパレードのイメージを変えることに挑戦しました。本公演とは全くカラーの違うパフォーマンスで、本当に「SOUND THEATER」と同じ出演者がやってるの!?と驚く人がいるほどですが、これもカンパニーポリシーのひとつを体現した結果です。
そのカンパニーポリシーとは「ドラマがないならドラマをつくれ!」というもの。街頭でたまたま通りかかったお客様をいかに惹きつけ、いかにコミュニケーションを取るかがテーマです。
何度か出演した吹奏楽連盟主催のパレードでは、周りの出演団体との出会いも「ドラマ」として楽しみ、出発前の待機場所で中高生バンドと即興的にコラボレーションしたこともありました。 現在では商店街やショッピングモール、アートイベントなどでこのパフォーマンスを行っています。

一般参加できるワークショップ(体験練習)を定期的に実施

劇団でよく行われている「ワークショップ」をCA流にアレンジし、一般の方も参加できる体験練習を年数回行っています。参加者の方々には、CAで行われる演奏・ダンス・フラッグの他、演劇的エチュードも体験していただきます。やる内容が盛りだくさんで、1日では時間が短いため、2004年からは2日間にわたって全てのジャンルを体験できる「ワークキャンプ」も始めました。2日目の最後にはメンバーと参加者の全員で、ミニステージを発表しています。
なかなか説明しづらい活動内容をみなさんに理解していただくためにスタートした企画ですが、団体の指導者の方が参考にするために来られるケースが増えてきました。参加者同士の交流の場にもなっていて、遠方からわざわざお越しいただく方がいることも嬉しく思います。これからも、「情報発信源」としての役割を果たせるように内容を充実させ、CAのパフォーマンスのエッセンスや作品づくりの過程を知っていただきたいと考えています。
また、お客さんと直に触れ合えるワークショップは、メンバーにとっても貴重な機会となっています。自分たちがお客さんに伝えたいものは何か?自己満足に陥ってはいないか?改めて自らの姿勢を見直すことで、より良い舞台を作っていきたいという思いもあります。

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